プロジェクト

2021年8月7日

オンライン宿泊+バーチャル旅行 体験

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより2020年にバーチャル開催となったロンドンマラソン、2つの大きく性質の異なる都市国家が、地理的にほぼ同じ位置を占めるモザイク状に組み合わさった特殊な領土を有する世界を舞台にした英SF作家チャイナ・ミエヴィルの『都市と都市』などからインスピレーションを得たオランダのアーティスト2人が、今までになかったオンライン宿泊およびバーチャル旅行体験の構築を試みます!

完成した体験は、実際の旅行代理店へと持ち込まれ、パッケージツアーとして販売が可能かどうか、吟味が行われる予定です。

プロジェクトは秋に公開予定です

参加アーティスト

エイディ・デリックス(オランダ・アーネム拠点)

「私のアート活動では、世界が燃えているのを目の当たりにしますが、消防士になるには背が低すぎるため、消火することができません。この無力感から、私は代わりに党旗を掲げています」。

アルバ出身のマルチメディアアーティスト、Aydee Derix(エイディ・デリックス、2000年フライブルク・イム・ブライスガウ生まれ)は、自分を取り巻く存在や世界の魅惑的な不条理を遊び心を持って研究し、探求しています。デリックスは、観光、高パフォーマンスの文化、アイデンティティ、エコロジー、動物福祉に対する人々の偽善など、彼女が関心を寄せる様々な問題に意識的に挑戦し、立ち向かっています。これらの問題に立ち向かう一方で、彼女はこの疎外的で不条理な世界がいかに魅力的であるかを示しています。


皮肉なことに、デリックスは世界を改善することの不可能性を受け入れようとしています。芸術が役に立たないことを強調することで、何か面白いことが起こるかもしれない。“絶対的な無用さにおいて有用である”。アドルノならこう言うだろう。

ラバー・ダックで世界を救う

ピート・フェクライ(オランダ・ハーグ拠点)

私は、サウンド、パフォーマンス、ビジュアルの分野で活動する学際的なアーティストです。私の作品は、現実とフィクションの境界線上を歩き、世界に対する視聴者の視点を問いかけます。想像力は、私が現実に対処するのに役立ちます。複雑な世界を、私が理解できるもの、そして私にとって個人的なものに変えてくれるのです。想像力は、世界に別の次元を加えることができます。すでにそこにあるものを超えて見ることができるのです。

私は自分の頭の中にある物語や世界を、自分の周りにある有形の空間と融合させ、体験を作ります。それらを通して、人々は私の内面世界を垣間見ることができます。私はこのような体験を、音楽、話し言葉や書き言葉による物語、サウンドスケープ、オーディオビジュアル・インスタレーションを通して表現し、創造しています。

デザインアカデミーアイントホーフェンでデザインを学んだ後、ハーグ王立美術学院のアート・サイエンス学科で学際的な芸術を学び、2021年に卒業しました。


2021年3月16日

山びこを持っていく(Transporting Echoes)

時里充+福留麻里

3年間かけて行われる「南三陸 = ハーグ 」プロジェクトは、山口在住の時里充と福留麻里が、バーチャルで南三陸を視察するところからはじまりました。

南三陸の自然や生活、信仰や、東日本大震 災を巡るお話しを様々な角度で伺う中で、これからプロジェクト3年間で触れていきたい領域として、

森、山、島、海、生活、木々や宇宙、

様々なスケールの時間や循環、

神様のことと科学的なことのつながり、土地で受け継がれる祭りや踊りや民話、土地に宿るものと、遠い土地同士で呼応すること、

リアルとバーチャル、

それを繋ぐもののこと、

などが浮かび上がってきました。

これらのことを、バーチャルとリアルを横断し、土地の方々との交流やリサーチ、プロジェクトメンバーの皆さんとの対話と思考の交換、観察と実験と検証などを繰り返し、世界の変化にも耳をすませながら、今の時代における制作方法、アウトプット方法の可能性も含めて探っていきます。

その第一歩として、4月の発表では、身近な事から出発します。

南三陸と山口、離れた土地どうしで、それぞれの日々の中にある記録や、リサーチの断片などを短い映像としてコラージュしていきます。

今回、南三陸側の映像でご協力いただく佐藤太一さんが、ご自身の仕事場でもある山をバーチャル視察で案内してくださった時に、年輪に刻まれ重なった時間の層のお話しをしてくださいました。

年輪に様々な情報が刻まれて一本の幹になっていくように、ふたつの離れた土地の時間の層を、ひとつの時間、映像として重ねていきます。

16th March 2021, Mitsuru  Tokisato + Mari Fukutome

参加アーティスト

時里充(Mitsuru Tokisato)

メディアアーティスト。1990年兵庫県生まれ。画面やカメラに関する実験と観察を行ない、認知や計量化といったデジタル性に関する作品を制作発表。展覧会に「エマージェンシーズ!022『視点ユニット』」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京、2014)、「見た目カウント」(SOBO、東京、2016)、「アスリ ―ト展」(21_21 DESIGN SIGHT、東京、2017)、「見た目カウントトレーニング#2」(gallery to plus、東京、2017)、「ラビットリーディング」(TABULAE、東京、2018)など。小林椋とのユニット「正直」などでライヴ活動を行なう。山口情報芸術センター[YCAM]のInterLabに所属。「正直」や最近のYCAMでの仕事(篠田千明 新作オンライン・パフォーマンス公演「5×5×5本足の椅子」、テクニカル・ディレクター)では、オンラインとオフライン空間を多層的に組み合わせた身体やアバターを伴う表現で新たな境地を開いた。https://tokisato.info/

福留麻里(Mari Fukutome)

ダンサー/振付家。2001年より新鋪美佳と共にほうほう堂として活動。独自のダンスの更新を試みる。2014年よりソロ活動スタート。劇場やギャラリーでの作品発表、川原、公園、道、誰かの家など様々な場所でのパフォーマンスやワークショップをはじめ、他分野作家との共同制作を継続的に行ない、いくつもの関係性とそのやりとりから生まれる感覚や考えや動きのはじまりを見つめ紡いでいる。2019年からだを巡る小さな指示書をSNSで発信する「ひみつのからだレシピ」プロジェクトを木村覚(BONUS)と共にスタート。2020・2021年度セゾン・フェローⅠ。最近作に篠田千明新作オンライン・パフォーマンス公演「5×5×5本足の椅子」がある。2020年より山口市在住。